ビリヤードの起源については複数の説があります。以下にその一部を紹介します。
- ビリヤードは、中世ヨーロッパの草地で行われていたクローケーやボウルズのようなゲームから発展したという説。これらのゲームは、球体を特定の目的地に移動させるという基本的な原理をビリヤードと共有しています。これらのゲームは室内で遊べるように進化し、15世紀頃に現在のビリヤードに近い形になったとされています。
- ビリヤードは、古代ギリシャや古代ローマの球技から進化したという説。これらの古代のゲームは、球体を使って目標に向かって打つという基本的なプレースタイルを持っていました。これらのゲームが中世のヨーロッパに取り入れられ、現代のビリヤードに発展したという考え方もあります。
- ビリヤードは、14世紀のフランスで始まったという説。当時のビリヤードは「ビリヤート」と呼ばれ、この名前はフランス語の「bille」(球体)と「art」(技術)の合成語とされています。このゲームは王室と貴族の間で人気となり、16世紀には現代のビリヤード台とキューが開発されました。
これらの説は、ビリヤードがどの文化から直接発展したのかを確定するものではありません。しかし、それぞれがビリヤードの歴史において重要な役割を果たしていることは間違いありません。
上記の様にビリヤードの起源は諸説ありますが、地中海方面で行われていたビリヤードの原型とも言えるゲームが、おそらく十字軍遠征によって東方からヨーロッパに伝えられました。これらの遠征は、異なる文化間でのアイデアと伝統の交換を促しました。特にビリヤードに関しては、ヨーロッパに伝えられた後、中世ヨーロッパの草地で行われていたクローケーやボウルズのようなゲームに影響を与え、さらにこれらのゲームが室内で遊べるように進化しました。
15世紀頃には、現在のビリヤードに近い形のゲームが形成され、フランスの宮廷で特に人気を博しました。ここで、現代のビリヤード台とキューの使用が開始され、以降ビリヤードはヨーロッパ全土、そして世界中に広がっていきました。
今から2400年以上も前からビリヤードの原型があり、日本の歴史で言うと“弥生時代”でとても昔の話です。
ビリヤードが最初に紹介されたのは、日本が開国してからの明治時代であると広く認識されています。江戸時代、つまり17世紀から19世紀初頭にかけて、日本は鎖国政策を実施し、外国との接触を大幅に制限していました。このため、その期間中にビリヤードが日本に導入されたという記録や証拠は存在しません。
しかし、鎖国政策が終わりを迎え、明治維新が起きると、日本は積極的に西洋文化を取り入れるようになりました。これに伴い、ビリヤードといった新しいスポーツや娯楽も日本に広まっていきました。
このことから、ビリヤードが日本に初めて導入されたのは、おそらく明治時代であろうとされています。その頃からビリヤードは広く楽しまれ、さまざまな場所でプレーされるようになりました。初めてのビリヤード場が設けられたのもこの時期とされています。
ビリヤードは、戦前・戦中は主に上流階級の娯楽として捉えられていましたが、戦後の経済成長とともに庶民の間でも人気を博すようになりました。特に1960年代以降は、ビリヤード場が全国各地に開業し、ビリヤードは広範な年齢層に親しまれる娯楽となりました。
現代の日本では、ビリヤードはレクリエーションから競技まで、多様な形で楽しまれています。全国のビリヤード場やスポーツクラブでプレーできるほか、プロフェッショナルのビリヤード選手が全国・国際大会で活躍しています。また、様々なビリヤード競技が導入され、プール、スヌーカー、キャロムなどが各地でプレーされています。
日本ビリヤード協会(NBA)などの団体は、ビリヤードの普及と競技人口の増加を図りつつ、国内外のビリヤード競技の開催やルールの統一を行っています。また、近年ではテレビ放送やインターネットの普及により、プロ選手の試合を観戦する機会も増え、ビリヤードの人気を一層高めています。